語感モード

Fireworksが我が家にやってきた。そして...

2013.12.11 投稿者:藤川麻夕子

※この記事は、Fireworks Lover Advent Calendar 2013 の11日目のお当番記事です!テクニック系は他のみなさまにお任せして、私は純粋にFireworks愛だけを語ることにします。

Fireworksというのは現在アドビシステムズ社が販売している、Web用のグラフィック作成ツールのことです。#fc0はふたりとも、毎日愛用しております。なるべく平易な言葉を使っていますが、今回はちょっと初心者向けではない話題も含まれていることをお許しください。

Fireworksとの出会い

Fireworksとの出会いについて語るためには、まずDreamweaverとの出会いについてのお話をしなければなりません。

私が自力で(趣味で)ホームページをつくりはじめたのは1996年でした。
最初はずっとテキストエディタで直接HTMLを書いていて、そのうちいろいろな制作ツールを使うようになっていたのですが、そんなときに秋葉原の(今はなき)LAOXのザ・コンピュータ館で平積みになっていたDreamweaver2を見たのが、Dreamweaverとの出会いでした。偶然、発売日当日だったようでした。

パッケージには「クセのないHTMLが書けます!」というような趣旨のことが書かれていて、頭の中が「!!!!!」となったことをよく覚えています。多分パッケージの文言を見ただけでこういう反応をする人は、当時の日本にはあまり多くなかったと思います^^;

http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/1999/0107/dw.htm
こちらの記事によると、発売日は1999年1月29日。
それまで私が使っていたツールにはない39,800円という高値であり、別に仕事でやっているわけでもないのにそこまでお金かけるの!?と0.5秒くらい迷って購入しました。それくらい「クセがないHTML」は魅力的だったのです。

Fireworksと出会ったのは、そのDreamweaver2にバンドルされていた「Fireworks J」の体験版でした。「Web用のグラフィック作成ツール」ってなんだろ?と思ってその体験版を動かして、大衝撃を受けることになったのでした。

今までの苦労はなんだったんだ!!!!

当時の私はHTMLを書くのはだいぶ得意になっていたんですけど、画像作成や加工については苦手意識を持っていました。

そもそもツールを持ってなかったんです。Photoshopは当時からありましたが高くて買えるはずもなく、画像作成についてはかなり諦めていました。その結果、今思うとフラットデザインっぽいサイトデザインをよくやってました。画像を使わず、テキストだけでタイトルを表現したり、いろんな色をタイル状に並べていたりしました(もちろんテーブルレイアウトで)。

が!!Fireworksを見てびっくりしました。
なんだこれ、一発でボタンとかロゴとか作れちゃうじゃないの!(シロウトだったわたくし、一番感動したのは今でもある「スタイル」パネルでした)
これなら私でもボタンつくれる!!!買おう!と決めました。

3時間迷ったあの日

Dreamweaverを買ってから1ヶ月が経とうとしていた1999年2月下旬、体験版の期限が切れる前にFireworksを買いに出かけました。忘れもしない、大宮のソフマップに。

Fireworksはとっても隅っこに申し訳なさそうに置かれていました(調べてみたら 、すでに発売開始から結構経っていたんですよね。98年7月にリリースされていたようなので、発売から半年以上経過していました。きっとぜんぜん売れていなかったに違いない...)。でも私にはもうすでにすばらしいツールだったから、対面しただけでもドキドキ!

でもやはり、Dreamweaverと同じ39,800円という値段には非常に躊躇しました。当時、実は私は会社をやめた直後で収入がない状態でした。そんな状況で趣味に40,000円を使うというのはものすごく勇気のいることでした。私はソフマップでFireworksのある棚に行っては別の場所に行き、また戻っては入口まで戻り、を繰り返し、気づいたら3時間が経過していました。

Fireworksを買っても別に何も儲からないんです。ただお金が減るだけなんです。将来Web制作の仕事をしたいとかこれっぽっちも思っていなかったし(というか当時は専業主婦になるだろうと思っていた)、本当にスタイルパネルに感動しただけで3時間迷って迷って迷いぬいて...そして、買いました。

それをあとでものすごく後悔し、そのことで人生が変わるなんて夢にも思わずに。

そして起こった悲劇

その2ヵ月後の1999年4月、衝撃的な事件が起こりました。
「Fireworks2」の発売です。

たった2ヶ月前に3時間も悩んで買ったばかりなのに、バージョンアップしてしまったんです(当時はアップグレード版というものは存在しなかったはず)。衝撃はそれだけではありませんでした。なんと価格が「24,800円」になっていたのです。私は、2ヶ月前に「39,800円」で買ったんです!バージョンアップしたのに15,000円プライスダウンですよ!なによそれ!

当時私は結局専業主婦に向いていないとわかったので派遣社員として就職したばかり。まだ初給料をいただけていない状況だったこともあり、もう一度24,800円を出して買う勇気はもうありませんでした。

しかもですね。このときに同時に「Studio」というのが登場するんです。Dreamweaver2とFireworks2 のセット売りで、48,000円。
わたし、DreamweaverとFireworksで80,000円払ったんだよ!?自分のタイミングの悪さに本当にがっかりしたというか、このときはかなり落ち込みました。

2回目の悲劇

そのあと、追い打ちをかけるようなバージョンアップがありました。2000年の年明け、Dreamweaver3、Fireworks3が登場するのですが、このときは「ミレニアムキャンペーン」とかなんとかいって、Studioが「22,000円」というすごい価格で売られていたんです。

Studioですよ。DreamweaverとFireworks両方合わせた値段ですよ!1年前にその倍くらいの価格でFireworksだけを買っている私としてはほんと納得行かなかったわけなのです。

当時結局私が使っていたのは未だVer.1だったけれど、それでも私はFireworksが大好きでした。そして私はその月にデジタルハリウッドへの入学を決めました。
Fireworksが大好きすぎて、家を買うためにコツコツがんばって貯めていた700,000円を学費として支払ってしまったのです(700,000円にはFireworks3の費用も含まれていました)。

なんという悲劇。ひどい。マクロメディア(当時)にしてやられた!

 

......けれど、そのおかげで今わたしは、Fireworks色の黄色いこのブログで記事を書いています。そして気づけば自分がFireworksの操作解説本を書いて出版する立場になっていました。

あの3時間があったから、今の私がある。
あなたのおかげで私はここまできたんだと思う。
ありがとう、Fireworks。