語感モード

中身からにじみ出るもの

2008.01.26 投稿者:藤川麻夕子

私は、普段からよくカフェの探索をします。都内のあちこちにあるカフェを探して、チャイとかを頼んで、本を読みながらまったり過ごしたりします。
私がいいと思うカフェは、だいたいテイストが決まっています。

  • あまり駅から近くない。または目立たないところにあって探しづらい。
  • 新しくない。建物自体も古かったり、使われている家具が中古のものだったり。
  • 手作り感がある。すべてがきちんとしているわけではなく、結構ルーズ。
  • 店内に置いてあるものとか飾ってあるものにこだわりがある。
  • 店員がフレンドリー。接客のプロ!という感じではなく、自然体で接する。
そんなカフェを見ていると、結構仕事面で勉強になることがいろいろあります。外観や内装、音楽のセンスとかももちろんそうなんですけど、それ以上にいつも感じるのは、そのカフェの「色」がちゃんと伝わっているということと、心からお客さんをもてなそうとする姿勢です。

私が好きなカフェは、こだわっている部分をきちんと持っていて、それをそのまま提供している感じがします。お客を呼ぶためにやっているのではなく、あくま でも自分のカフェを作ろうとしてがんばっているような感じ。だから、そこに共感して来てくれるお客さんがいることは多分心からうれしいのだろうし、それが もてなしにも現れるのでしょう。

私はたぶん、そういうカフェの「中身」にひかれているのだと思います。

単に素敵なものをいっぱい集めれば素敵なカフェになるわけじゃない。奇抜なことをすれば目立つというわけでもない。どこかのマネをすれば、そこと同じよう に人気のカフェになるというわけでもない。表面を取り繕っても、そこに何もこだわりがなければ、何も伝えられないんですよね。

お化粧がうまい人が、必ずしも中身が素敵とは限らない。

私たちの仕事は、どちらかというと最後のお化粧に近いほうだと思います。だけど、サイトを作りたい人の思いをちゃんとくみ取って作りたい。伝えたいことがにじみ出るようなサイトを作っていきたいと思うのです。
そのためには、まずちゃんとくみ取らなければいけないし、それ以前に思いを引き出さないといけないことも結構あります。それはとても難しいことだけど、そうやって一緒に「こだわりを作っていく」ような仕事ができたときは、とても幸せです。

もっともっと、そんな仕事にたくさん出会えますように。