語感モード

自由業は、コミュニケーションができなければ無理。

2008.05.27 投稿者:藤川麻夕子

大変久しぶりの記事になってしまいました。
実は私(ふじかわまゆこ)は今月いろいろな事情が重なり、午前中に出勤するのが初めてでございました...。やっと通常業務に戻れそうです。

さて、今日はお仕事で関わっているサイトのお話です。
作曲家の三枝成彰さんのインタビュー記事の更新をしていたのですが、そのなかでグサっとくる言葉があったので、ご紹介します。

三枝さんはもともと、作曲家になりたくてもなれなかった父親の意思を組んで作曲家になった人。自分の意思でなりたいと思ったのではなく、生まれる前から将来を決められていた人でした。でも、芸大を首席で卒業し、世界的に有名な作曲家となったのです。

「好きを仕事にするにはどうやったらよいのか」という質問に対して、こんな回答をされています。

才能ではない。努力なんです。それくらいの覚悟ができないのであれば、夢をつかもうなんて望まないほうがいいですね。仕事になると、「好き」というだけではやっていけないんです。
(中略)
1,000キロ走る覚悟が要るとか。普通の42キロぐらいのマラソンとはわけが違うんだと。そういう気概で挑戦すること。それほど好きなら、誰でも成功します。才能なんてほとんど関係ないですからね。
「才能なんてほとんど関係ない」とはっきりおっしゃってます。
私が言うのはおこがましいことですが、これには私も強く同意します。

私が今の仕事をしているのは、100%、「才能がもともとあったから」ではないとはっきり言えます。むしろ強い苦手意識があり、新卒の就職活動では避けて通っていたことばかり。なぜ今こうなっているのか、自分でも首をひねるくらい180度ありえない業界にいます^^;

才能は、ないよりはあったほうがいいけれど、才能がある人だって努力は必要でしょう。才能だけで生きられる人は、多分ものすごくわずかな人なんだと思います。逆に言うと、努力さえできれば、どんな人も、どんな仕事でもやっていける(=生きていける)んじゃないかなという気がします。


私がドキッとしたのは、そのあとの言葉でした。

自由業でやっていくには、積極的に人とコミュニケーションをとり、自分を売り込む営業ができないといけないんですよ。(中略)相手を説得できる何か、つまり営業力を持っているんですよ。(中略)成功している人は、やはり商売がうまい。いい作品を創るし、口もうまいんです。自分が、そういうことは不得意だなと思ったら、「好き」を仕事にするのは向かないかもしれませんね。厳しいことを言うようですが、普通の仕事を選択すべきです。
ここでは「口がうまい」ことを「営業力」と言っていますが、「口がうまい」というのは「口先のテクニックがうまい」という意味ではなくて、「自分プロデュース能力がある」ということなのだと思っています。自分の力が、相手にとってどれだけ有益かを伝えるのがうまいということ。それを生み出せるのは口だけではない、と私は思っています。

「自分プロデュース」については、私がこの1年くらいずっと考えているテーマの一つです。トークの技術より、人の気持ちをもっと分かること。まずはそこからだと思っています。「私はこんなにすごいんだぞ!」というよりは、「私はあなたのためにこんなにがんばれるぞ!」ということがもっと伝えられたらなあ、と思います。

まだまだ、努力が必要です。